2015年12月29日火曜日

西洋人は落描きしないのか?

この前来た生徒さん(オーストラリア)と話して思った事。

彼女は先生について絵を習っている。鳥などの小動物の細密画。画材も水彩や色鉛筆をつかって、かなり本格的に描いている様子。

マンガは好きで読むけれど、描いたことはないから、習いたいのだそうだ。

余談だけれど、彼女は提携している旅行代理店経由のお客。英語でマンガ習えるところ、というのが地力では見つけられなかったのだそうだ。まだまだ広報不足だなあ。

「普段どんなのを描いているの?」と聞いたら、マンガキャラ的なものを描いたことは無いのだそう。というか、人物を描いたことが無いらしい。

「ちゃんとしたアートスクールには行かなかったから」

ふーん?絵が好きで、鳥とか描いているのに、人間は描かないのか。マンガが好きで読んでいるのに、そういうのを描いてみようと思ったことは無かったのか。てか、授業中とか仕事中にノートに落書き描いたりしないのか。

”How to draw Manga"的な本を一冊買って、読んだことはあるそうだ。「英語で出版されているその手の本は少なくて…」どうやら内容には満足していない口ぶり。読んだけれど、実際に描いたことは無いらしい。

(私も、私の知る限りで、その手の本でいいな、と思うものに出くわしたことは無い。だから機会があったら自分で作りたいと思っているんだけど)

???そういうの買ったら、とりあえず描いてみないか?てか、絵に興味があって、教養もあって(習っているくらいだもの)、マンガが好きで、それでいて描いたことが無いっていうのが、感覚的に飲み込めないんですけど?

ペンとインクでコマ割りして。。。とは言わないけど、落描きくらいはするんじゃないのか?

日本人なら、そういう条件がそろったらもう描かずにはいられないと思うのだが?私の周りはマンガリテラシーが高い(?)人間が多いから、そう感じてしまうだけなんだろうか…?

日本旅行中に体験コースとして、「せっかくきたんだから挑戦してみよう」(七宝焼きみたいにね)というのなら分かるのだが、実際そういう生徒(お客)も多いのだけれど、考えてみれば彼女のような、「マンガは大好きだけど、落書き程度にも描いてみたことはない」という生徒は初めてではない。(絵を習っているにも関わらず、というのは初めて)

これは個人差なのか、お国柄なのか、東西の文化差なのか…。もちろん、鉛筆で落書き程度には描いています、という人が多数はではあるのだが。

山田五郎が、日本人は全体的に絵心があると言っていたが、それは肌で感じる気がする。単なる印象だけど。それにしても描きたくならないって不思議。


それで思い出したのが、とある小母様達との会話。

以前地元の英会話サークルに入っていて、そこのメンバーの小母様達は韓流ドラマにはまっていた。次にどうなるかわくわくしている、みたいな話だったのだが、そこで私は大発見したんであったのだ。

「この人たちは、熱中しているドラマの次回がどうなるのかと想像するということをしない」

そういう人種というものがいるのだ、それも結構なパーセンテージでいるらしい、というのは私にとっては晴天の霹靂だったのだ。「次回をお楽しみに!」っていわれたら、ああなるかしら、いやこうじゃねえか、こうだったらいいのにな、とかアレコレ考えずにはいられないじゃないか?

私は大学時代アシスタントのアルバイトして、社会人にならずにマンガ家デビューしたので、周囲の人間は親兄弟親戚を除いて基本自分の同類ばっかしだったので、まさかそんな人間がいるなんて考えてもいなかった(考えてみると親戚も親もこの手の人種な感じなんだけども、あんまり周囲のことを気にしない人なので)。

そんなことから類推するに、世の中には大好きだけど、描いてみるということには思い至らない人たちが…?

てかさ、習う習わないの次元じゃないじゃん。とりあえず描くじゃん、描きたかったら。とか自己否定みたいなことを言うけどさ。(それでも出来ない部分を習うというかね)






0 件のコメント:

コメントを投稿